カニ と 親父


工場には、時々カニが遊びに来ます。

このカニを見ると、苦い 思い出が蘇ります。

それは、高校生の時に友達の家に三人ぐらいで遊びに行っていました。

そこに、そうな親父が酔っ払って現れました。(半袖なのに長袖、それ以上は語れません)

気を使ってくれたのか、手にはゆでたカニらしきものを持ってきてくれて、

「おまえら、これ食べろ」と、差し出してくれました。

よく見ると、汚い溝とかにいるあのカニ達でした。

みんな気づいたらしく、苦笑いを浮かべていました。

追い討ちをかけるように酔った親父は、「丸ごと食べろ」などと言い出しました。

よそ様の家で出されたものは、残さず食べなさい。 

そんな母の言葉が脳裏によぎりました・・・

友達と一緒に我慢して、

硬いカニをバリバリ、ボリボリと、泣きながら食べた思い出があります。

その味は、とてもかったな~。

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